今回は「人間がものを見る」とは、どんなことなのか、生物学的にご紹介します。
実は「人間がものを見る仕組み」を知ることで、「映像の圧縮」がどう行なわれているのかを理解できるのです。
網膜に結像された光を電気信号に変換する細胞は、「視細胞」と呼ばれています。
視細胞は明るいところで機能する「錐体(すいたい)細胞」と、暗いところで機能する「桿体(かんたい)細胞」があります。錐体細胞が網膜あたり500~700万個に対し、桿体細胞は1億2000万~1億4000万もあるといわれています。
錐体細胞は、光の色(波長)に対して敏感に反応します。さらに、吸収波長が異なる3種類の細胞があります。赤い波長に反応するL錐体、緑の波長に反応するM 錐体、そして青の波長に反応するS錐体です。人間の眼も、RGBです。ただし、これらの細胞が反応するには、ある程度の光量、明るさが必要になります。また、色覚 異常は錐体細胞の障害が原因です。
一方、桿体細胞はわずかな光でも反応します。しかし、色を判別することはできません。そのため、暗いところで形がわかっても、色を判別することに困難になります。さらに、光の感度に反応する桿体細胞は、網膜の中心部つまり視野の中心部に集中しており、暗いところでは視野が狭くなります。
まとめると、錐体細胞は光の色(波長)を見分け、桿体細胞は光の強さ(波幅)を見分けるということになります。
デジタル映像制作の言葉に置き換えてみると、
「人間の網膜には、光をRGBそれぞれを電気信号に変換する錐体細胞と、光を輝度信号に変換する高感度の桿体細胞の2種類ある」「明るさの差には敏感だけど、色の境界線はあやふや」という感じなります。
実はテレビの信号も、明るさ(輝度)と色を分けています。輝度と色を分離することによって、人間の視覚をごまかす「圧縮」という技術が成り立っています。圧縮技術のひとつとして、人間の視覚の特徴である「輝度は敏感、色は鈍感」を利用しています。
カタログでよく目にする「YUV 4:2:2」とか「YUV 4:2:0」とか、そうそうアップルの「Pro Res 422」(ぷろれぞよんにーにー)も人間の色の認識に関係した圧縮方法になります。これはまた詳しくご紹介します。
最近では444とよく耳にしますが、一体何?
人間の視覚はTVと同じ?
まめ知識
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