動画を圧縮する原理

動画データの圧縮技術なくして、現在の映像産業は存在しえません。私達が普段編集している映像も圧縮されたデジタルデータの集合体です。ベータカムとHDCAMのテープ幅は同じ2分の1インチですが、1フレームに記録されている画素数は、7倍近くにもなります。今回はサンプリングによるデータ縮小に続いて、動画データそのものを圧縮する理論について考えていきます。

さて、データの圧縮とはどんなことなのでしょうか?

「AAAAAABBBBCCCCCCCCCD」という20文字の文字列を8文字の「A6B4C9D1」に変換します。「Aという文字が何個連続するかを数字で表す」というような約束事をあらかじめ決めておけば、20文字が8文字に圧縮でき、8文字を受け取った側はもとの20文字にも戻すことも可能です(可逆圧縮)。このような圧縮方法は「ランレングス圧縮」と呼ばれ、PICTやTIFFなどに用いられています。

その他にも、データ圧縮アルゴリズムはいくつもあります。それぞれ高度な数学的演算が必要となりますが、コンピューターの処理速度が高速化されてことにより、大容量の動画データもリアルタイムでの圧縮・伸張が可能になったのです。

動画の圧縮には大きく2種類あります。

1フレーム単位で情報を圧縮する「フレーム内(イントラフレーム)圧縮」と前後のフレームの情報を使って圧縮する「フレーム間(インターフレーム)圧縮」です。

フレーム内(イントラフレーム)圧縮
この圧縮は、1フレーム内の情報だけを圧縮するため、前後のフレームに影響を受けません。代表的な圧縮アルゴリズムは離散コサイン変換(DCT)やハフマン(Huffman)符号化と呼ばれるもので、難しくて理解できないのでご紹介しません。特徴としては圧縮がフレーム内で完結しているので、どのフレームも静止して映像を見ることができます。早送りや巻き戻しでも映像をみることができます。miniDV、DVC ProHD、HDCAM、D5はこのフレーム内圧縮です。

フレーム間(インターフレーム)圧縮
1フレームの情報だけでなくその前後のフレームの差分情報を使用する圧縮です。

例えば、MPEG-2の場合は、15フレームをひとつのまとまり「GOP(Group Of Picture)」とし、フレーム内だけで圧縮を行うIフレーム(Intra- Picture)、前のフレームから次のフレームがどう変わるか予測するPフレーム(Predictive-Picture)、前後のフレームとの差異を使うBフレーム(Bi- directionally predictive-Picture)の3種類のフレームを組み合わせて、圧縮効率を高めています。

つまり、時間軸による情報の圧縮を行うのがこの圧縮方法です。Iフレーム以外は、単独のデータで映像を再現することはできません。

GOPを長くすれば(LONG GOP)、映像の圧縮率を高くすることができるので、デジタル放送やDVDビデオでの利用に適しています。

gop

HDV、AVCHDはこのフレーム間圧縮であるMPEG技術を採用しています。データ容量が圧倒的にコンパクトになる反面、フレームの再構成処理するためハードウエアに負担がかかり、編集作業のレスポンスがよくありません。

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