テレビ放送は、モノクロ放送からカラー放送へ発展したため、モノクロテレビでもカラーで放送されているテレビ番組が見られる(カラー放送をモノクロで見る)、その逆カラーテレビでもモノクロ番組が見られるという相互互換性が必要でした。この互換性こそ、1秒間29.97フレームになった理由です。
相互互換させるために、モノクロ放送で送られている明るさ(輝度)の信号(Y)をベースとして、そこにカラー信号(RGB)情報を合成した方式が考えられました。これがNTSC(全米テレビジョン方式委員会)方式です。ただ、カラー信号と音声信号と干渉するため、1000分の1同期信号をずらすことになりました。30フレーム×1000分の1≒29.97フレームのズレです。当時のアナログ回路ではこの値は誤差の範囲内で、何の問題もない数字でした。
本来であれば、1秒30フレームでモノクロ放送と完全な互換性が取れる方式が見つかるまで、カラー放送を延期すべきだったかもしれません。デジタル放送に切り替わる現在も、29.97という数字の呪縛から逃れられないでいます。
NTSCはアメリカ「RCA(Radio Corporation of America)社」が開発。民生用のビデオ端子がRCA端子と呼ばれるのもこの会社名が由縁らしいです。RCAは1986年GEに買収され、現在は事業部門ごとにバラバラになっているみたいです。
一方、主にヨーロッパで採用されているPAL規格は、最初からカラー放送を前提として定められた規格です。1秒25フレームで走査線も625本とNTSCより多くとられています。NTSCに比較して、信号伝送時の色の歪が小さいなど優れた規格となっています。
ちなみに日本でカラーテレビ放送が始まったのは、昭和35年(1960)9月10日。アメリカ(1954年1 月23日)、キューバ(1958年、翌年キューバ革命によりカラー放送中止)に続いて世界で3番目だそうです。(NHK総合のカラー化は1971年に完了)

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