ラスヴェガスのNAB (National Association of Broadcasters)では、次世代を予感させる新しい技術が紹介されたようですので、簡単にご紹介しようと思います。
まず、Final Cut Proの次期バージョンです。現在はバージョン7、1999年に登場したバージョン1.0以来GUIはほとんど変わらずにきました。今回、NABと同時に開かれたイベントで次期バージョンが公開されました。その名も「FCP X(テン)」です。バージョンが10になるかどうかはわかりませんが、「X」はアップルにとって64bitコンピュータの象徴を表すものです。
イベントによると、以下のような特徴があります。
- 64bit マルチコア処理
- すべてのファイルをネイティブ編集(トランスコードなし)
- 新しいGUI マグネティックタイムライン iMovieに似てる
- 既存のソフト「Color」「Motion」の機能をFCPに統合
- オーディオの波形分析によるオートシンク などなど
ということで、次期Final Cut Proは全く新しいノンリニア編集ソフトになるようです。一部の論調では、よりハイマチュア向けになって、プロ仕様ではなくなるのではという見方もありますが、昨年4月にジョブスが「次期リリースは素晴らしいものになる」と語っているだけに注目です。アメリカでの発売は今年6月、App Storeで299ドルで購入出来る予定です。価格だけ見ると現在のFinal Cut Express並です。この価格でプロ仕様だとすれば、完全な価格破壊となり、Adobeなど他のノンリニア編集ソフトメーカーの動向が注目です。
もうひとつの解釈は、現在のFinal Cut Proと共存です。前例としてはQuickTime XとQuickTime7があります。2010年のダボス会議報告でこの2つのQuickTimeについて書きましたが、Xは一般ユーザー向けの機能に絞り、7はプロ向けの機能が残されています。Final Cut Pro Xが低価格でダウンロード販売に限られるとすれば、Final Cut Studioはそのまま発売続けるかもしれません。その場合、プロ仕様とハイアマチュア仕様として、棲み分けるかもしれません。FCP Xはファイルベース専用になるという可能性もあります。言い換えれば、ベースバンドからのキャプチャー機能を捨てるかもしれません。アップルは以前から「現状の機能」をいとも簡単に切り捨て、次世代の機能へ移行する商品を販売する傾向にあります。正式な発表を注視しなければなりません。
もうひとつ、注目の商品をご紹介します。以前紹介したI/Oインターフェイス「Thunderbolt」で接続するキャプチャおよび再生デバイスです。
Blackmagic designがNABで発表した「UltraStudio 3D」はSDIとHDMIをThunderbolt経由でキャプチャ・再生するもので、DVCPRO HD、Pro Res、AVCHDなどのハイビジョン規格に対応しています。価格は995ドルです。新しいMacBookProシリーズでどの程度動作するかはまだわかりませんが、少なくとも現在の17インチの大きさと、外れやすいExpressカードという縛りからは開放されそうです。
ちなみにMatroxもMXO2にThunderboltを搭載するとNABで発表しています。



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