フルハイビジョンテレビの画角は、「1920×1080」の画素で構成されます。
それぞれの画素のカラー信号をRGB、8ビットで表現すると、
1920(横ピクセル数)×1080(縦ピクセル数)×3(3色)×8(ビット/色)
×29.97(フレーム/秒)≒1.4Gbps(ギガビット/秒)
という莫大なデータ量になり、記録・伝送・信号処理などに大きな負担がかかります。実際は、サンプリングとデータ圧縮という技術により10分の1以下にデータ量が縮小されています。今回はサンプリングによるデータ量縮小の原理とご紹介します。
人間の視覚は、明るさ(輝度)には敏感ですが、色(色相・彩度)には比較的鈍感と言われています。この特性に基づいて、輝度のデータを維持しながら、色のデータを間引く方法がサンプリングです。様々なカタログなどのYUVによく記載されている「4:2:2」や「4:2:0」が色の間引き方を示しています。
実際に見てみましょう。 Yは輝度、R-Yが赤色差(U)、B-Yが青色差(V)です。
YUV4:2:2 Yは全画素 R-YとB-Yは2つおきにサンプリングします。

YUV4:2:0 2×2ブロックにつき、1つずつサンプリングします。

YUV4:1:1 R-Y、B-Yを4画素おきにサンプリングします。

ここで以前ご紹介した主なビデオのフォーマットを見てみます。
| フォーマット | pixel | YUV | 映像記録レート(Mbps) | |
| DV | 525/60i (NTSC) | 720 x480 | 4:1:1 | 25 |
| 625/50i (PAL) | 720×576 | 4:2:0 | ||
| HDV | 1440×1080 | 4:2:0 | 25 | |
| DVC Pro HD | 1080/60i | 1280×1080 | 4:2:2 | 100 |
| 1080/50i | 1440x1080 | 4:2:2 | ||
| HDCAM | 1440×1080 | 4:2:2 | 144 | |
| D5 | 1920×1080 | 4:2:2 | 235 | |
| XDCAM | MPEG HD422 | 1920×1080 | 4:2:2 | 50 |
| MPEG HD | 1440×1080 | 4:2:0 | 35 | |
| P2 | AVC Intra 100 | 1920×1080 | 4:2:2 | 100 |
| AVC Intra 50 | 1440×1080 | 4:2:0 | 50 | |
| AVC HD | 1920×1080 | 4:2:0 | 最大24 | |
| 1440×1080 | 4:2:0 | |||
DVは4:1:1を採用しているため横方向4ブロック単位のブロック化が見られ、輪郭線にギザギザ(ジャギー)が現れやすくなっています。またHDVは4:2:0方式を採用しています。同じサンプリング効率ですが輪郭のジャギーが出にくくなっています。
DVC Pro HDの60iは、4:2:2ですが、ピクセルが横長の長方形のため、HDCAMに比較すると画質は落ちます。
YUV4:4:4は全く色データのサンプリングを行わない方式です。合成素材や品質優先に適していますが、NHK報道では使用していません。
このように色のデータを間引くことで、データ量を縮小させています。
このほかにも時間軸でデータ量を縮小させる方法や数学的に圧縮する方法もあります。

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