テープレスの前にテープを振り返る

video tape

普段手にするテープはほとんどがHDCAMになりました。ベータカムを資料VTR以外、現役で使用している放送局もなくなったと思います。そこで、テープの歴史を個人的に振り返ってみました。懐かしいという方もいれば、そんなテープ見たこともない!という方もいらっしゃると思いますが、現在に至るまでのテープの変遷をご覧下さい。(いろんなところから引用したので一部間違いがあるかもしれません)

1inch

1インチテープは、1980年頃からNHK、民放含め長い間、完パケ番組の送出フォーマットでした。現在では考えられないオープンリールのテープです。事実上完全なスローモーションとスティルができる初めてのテープはこの1インチになります。

1990年頃から民放は1インチテープにかわりD2が標準フォーマットになりました。NHKでは、D3、そしてD5と変わっていきます。

d2

D2はコンポジットデジタルフォーマットとして、ソニーが発売しました。NHKでは採用されませんでしたが、コピーしても画質が劣化せず、早送りしても白黒にならない、当時は画期的なフォーマットでした。外部ポストプロダクションもD2を導入し、DVEやスーパーなどの設備もデジタル化が進むことになります。

betacam

Betacam(ベータカム)は、ソニーが開発したアナログコンポーネントのENGとして、長年放送業界の取材メインテープとして活躍しました。ベータカムは家庭用ベータマックスと同じものだった(回転速度が異なる)ので、ロケ中にテープが足りなくなれば、電機店で購入できました。HDCAMはこのベータカムの流れをくむデジタル・ハイビジョン版です。
ベータカムの登場以前、ENG取材に用いる機材は、カメラ部分とVTR部分が別々になっていて、カメラを担いだカメラマンとケーブルで繋がれたVTRを持つビデオエンジニアが付いて回るという2人1組、もしくはカメラマン1人が両方を担ぐという機動性に欠ける取材でした。1982年にベータカム方式のカメラ一体型VTRが登場。ビデオカメラとVTRがひとつになり、ケーブルから解放されたカメラマンの機動力は飛躍的に向上しました。

betacamsp

Betacam SP(ベータカムエスピー)は、ベータカムをメタルテープ化した規格です。ベータカムと同じ形状、SP対応のカメラ・デッキが必要です。SP対応であれば、ノーマル(オキサイド)のベータカムも再生可能です。SPベータカムSPで初めてラージテープ(90分)ができ、のちにベータカムでもラージテープが発売されました。

VHSとベータ

家庭用VTRであるVHSベータの主権争いは番組(カノッサの屈辱やプロジェクトX)や映画(陽はまた昇る)にもなりました。写真上がVHS、下がベータ。テープ幅は2分の1インチです。ベータはベータカムと同じ構造で、磁気帯の品質が異なるだけでした。VHSはその後、アナログハイビジョン(W-VHS)、デジタルハイビジョン(D-VHS)対応に進化しましたが、高価だったこともあり普及しませんでした。またVHSのハンディカメラも登場し、映画「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」では重要な役割を果たします。コンパクトタイプの「cVHS」も発売されましたが、Hi8の小型カメラの登場とともに、普及はしませんでした。

様々なテープの変遷は、機能別に分類が可能です。

  1. コンポジットとコンポーネント
    輝度信号と色信号を分離して記録するかどうか。デジタル化が進んだ現在は、ほとんどがコンポーネントです。
  2. ポスプロとENG
    D5など放送・送出用テープと取材用のENG
  3. 業務用と家庭用
    ただし、Hi8やminiDV登場後、これ以降の民生機は業務用としても活躍しています。
  4. アナログとデジタル
    ハイビジョンだからとすべてがデジタルフォーマットとは限りません。
  5. SDとHD
    これもアナログとデジタルが存在しますが、現在ではデジタルフォーマットが主流となっています。

呼称でよく使われたのが、テープの幅の単位「インチ」です。ベータカムはそれまで主流だった1インチテープの半分だったので「2分の1」と呼ばれていました。また、4分の3インチのテープ幅であるU-matic(ゆーまちっく)は「しぶさん」とも呼ばれていました。VHS、HDCAM、D5などもテープ幅は2分の1インチです。また日本語の「寸」でインチを言い換え、「1インチテープ」=「一寸テープ」という言い方もありました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました